「五十嵐浩司(いがらし・こうじ)」 一覧

危険地の取材は誰がどう判断して赴くのだろう? ~311福島第一原発事故への組織メディアの対応から、「ジャーナリストの報道する使命と安全確保の軋み」と「正しい自己責任」について考える その3 / 五十嵐浩司(いがらし・こうじ) 

■何が日米のメディアの違いを生むのだろう
災害報道(Disaster Reporting)についてニューヨーク・タイムズ紙、AP通信に加え、米国の研究者や現場のジャーナリストに考えを聞いていく中で、しばしば聞かれたのは「日本のメディアのマニュアル依存ぶり」である。「画一的報道」と言い換えてもいいかもしれない。

危険地の取材は誰がどう判断して赴くのだろう?  ~311福島第一原発事故への組織メディアの対応から、「ジャーナリストの報道する使命と安全確保の軋み」と「正しい自己責任」について考える その2  / 五十嵐浩司(いがらし・こうじ) 

ニューヨークではAP通信社とニューヨーク・タイムズ社の2組織メディアを訪ねた。それぞれ米国の―というよりは、世界の、ですね―新聞と通信社の代表格であり、米国のメディアとしては社内研修制度やさまざまな教本的な文書や綱領もよく整備されている。
そこで聞き取り調査を行ったのは、次の4人である。

危険地の取材は誰がどう判断して赴くのだろう? ~311福島第一原発事故への組織メディアの対応から、「ジャーナリストの報道する使命と安全確保の軋み」と「正しい自己責任」について考える その1 / 五十嵐 浩司(いがらし こうじ)

危険地にジャーナリストが取材に赴くとき、だれがどうやって安全を判断するのか。「報道する使命」とジャーナリストの「安全確保」のバランスは、どうとるのか。
311東日本大震災で福島第一原発の1号炉が水素爆発を起こしたのは、地震が起きた翌日の2011年3月12日のことだ。その日から(まあ、大げさに言えば、だが)こんな疑問が頭を離れない。